Report|日系大手がシンガポールで仕掛ける「スイミー戦略」、JCTI Launchpadとは。
- Taka
- 1月6日
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更新日:2月11日

2024年4月に発足したJCTI (Japanese Corporates Technology Innovation) Launchpadは、日本企業が持つ技術力や無形資産を起点に、シンガポールのエコシステムと連携して共創を目指すイニシアティブです。今回、「シンガポール日本商工会議所 (JCCI) 月報」に寄稿記事を掲載していただきました。下記リンクから是非ダウンロードしてください。 寄稿記事:『無形資産活用に向けた共創先探索の取り組み「JCTI Launchpad」活動紹介』
JCTI Launchpadは、2024年4月にシンガポー ルで発足した有志企業団体で、Panasonic、RICOH、三井化学、東洋製罐、日清紡、そしてJETROと私たちN9が現在参画しています。シンガポールのイノベーションエコシステムを活用し、参画各社が各自のテーマで共創先を探索する際、日本企業の強みでもある技術などの「無形資産」を起点に横連携を行うことで、共創先と出会う機会を最大化すべく活動を進めています。
現在は、シンガポール企業庁(Enterprise Singapore)傘下の政府系機関IPI(Innovation Partner for Impact)やJETROと協働し、シンガポールの中小企業、スタートアップ、グローバル企業との共創機会づくりを行っています。例えば、TechInnovation 2024をはじめとする共創イベントに出展し、具体的なパートナーシップを形成しており、これらの活動により、次世代エネルギー管理システムや環境配慮型製品、革新的なパッケージング技術などが、既に現地市場とつながり始めています。さらに、日本のデジタル技術を活用した業務効率化ソリューションの開発など複数のプロジェクトも対話も進んでいます。 これらの成果を通じ、JCTIは単なる技術提供にとどまらず、日本企業が束になりながら現地パートナーと共に課題解決に取り組む、「スイミー戦略」を体現していると思います。日本の大手企業はそれぞれ多くの技術を持つ一方、1社単独でシンガポール市場の多様なニーズに応えることは難しく、すべての課題に対応できる技術を提供できるわけではありません。また、技術を求める側から見て、魅力的な技術が少ない場合には非効率と感じられることもあります。JCTIは、1社だけでなく、複数の日系企業が連携し、それぞれの技術を束ねながらシンガポールのエコシステムに「共創にオープンな技術」として紹介するものです。個々の企業の強みを活かしながら、集団としての力を最大化する新しい共創モデルを生み出しており、スイミーのように、1社では実現が困難なことも、同じ方向を向いた同志が10社、100社と集まって連携すれば、シンガポールでのイノベーション創出が大きく加速すると感じています。
各企業が独立して共創活動を進めつつ、JCTIでエコシステムへのエントリーポイントを最大化。シンガポール企業とのイノベーションやコラボレーションの好循環を促進することを目指しており、今後も持続可能な社会の実現に向けた新しい技術やビジネスモデルの共創を加速させ、さらに多くの企業が参加できるプラットフォームを目指していく予定です。ご期待ください。
