top of page

Report|JCTI Launchpad 第4回を開催 ― 日本の産業技術とシンガポールをつなぐ共創基盤へ

  • 執筆者の写真: Taka
    Taka
  • 3月18日
  • 読了時間: 3分

先週、第4回JCTI Launchpadが在シンガポール日本国大使公邸にて開催されました。石川浩司大使、そしてIPI Singapore CEOのMichael Goh氏によるご挨拶からスタートし、シンガポールのイノベーションエコシステムから100名を超える方々にお集まりいただきました。


「紹介」だけでは技術は越境しない

改めて実感したのは、画期的な技術も、単なる紹介だけでは国境を越えていかないということです。技術が実際に海外で動き出すために本当に必要なのは、その周りにある協働の仕組みそのものです。

日本の産業企業は、素材科学、センシング技術、高度な製造技術、最適化アルゴリズムなど、世界的に見ても競争力のある技術資産を数多く持っています。ただ、それを海外での実装につなげるには、技術力だけでは足りません。現地のニーズへの翻訳、PoCの設計、そして適切な機関とのつながりが必要になります。JCTI Launchpadは、まさにこのギャップを埋めることを目指しています。


2023年末のスタートから、共創プラットフォームへ

JCTI Launchpadは2023年末に立ち上がって以来、当初の「日本の技術を海外に紹介する場」から、少しずつ形を変えてきました。今では、日本の産業技術をシンガポールをはじめとする市場での実際の実装機会につなげる、より構造的な共創の場になりつつあります。今回のイベントも、スタートアップ、SME、大企業、投資家、そして公的機関の関係者など、幅広い顔ぶれが集まりました。日本関連のイベントは日本のビジネスコミュニティが中心になりがちですが、JCTI Launchpadはあえてシンガポールのローカルパートナー、つまり実際に技術導入や共同開発を検討している方々にフォーカスしています。


参加企業と、生まれ始めている協業

現在、8社の日本の大企業がこの取り組みに参加しています。今回は、光触媒や放熱材料をはじめとする先端素材、スマートポリマー、伸縮性エレクトロニクス、最適化プラットフォーム、フレキシブルセンサー、空間センシング、電子嗅覚(においセンサー)、抗菌素材など、Mitsui Chemicals、Murata Manufacturing、Nisshinbo、Nitto Denko、Panasonic、Ricoh、Toyo Seikan Groupをはじめとする各社の技術が紹介されました。IPI Singaporeとの連携のもと、こうした技術に関する対話は、すでに具体的な動きにつながり始めています。TechInnovation 2025以降、共同PoCの設計や技術評価、シンガポールパートナーとの初期の開発協議など、これまでに11件の協業プロジェクトが立ち上がりました。


「第三の場」としてのエコシステムの役割

企業、スタートアップ、公的機関、研究者といった適切な顔ぶれが揃うと、協働のハードルは下がり、信頼関係の構築も早まり、議論から実装までのスピードも上がっていきます。イノベーションエコシステムがうまく機能するのは、組織を横断した協力を橋渡しする、信頼できる「第三の場」があるときだと感じています。

この2年間、N9 PTE LTDは、JETRO SingaporeおよびIPI Singaporeとともに、JCTI Launchpadの中核パートナーとして、まさにこうした環境づくりに取り組んできました。単発のイベントの積み重ねではなく、日本の技術とシンガポールのイノベーションエコシステムをつなぐ共創インフラとして育ちつつあります。


これから

JCTI Launchpadは最終的に、日本の産業技術がシンガポールのイノベーションエコシステムを通じて試され、現地に合わせて調整され、スケールしていく、再現可能なモデルをつくることを目指しています。今年、日本とシンガポールは国交樹立60周年(SJ60)を迎えます。JCTI Launchpadのような取り組みは、イノベーション、技術実装、そして産業パートナーシップを土台とする、次の章の始まりだと考えています。

日本の産業技術との深い連携に関心のあるシンガポール拠点の企業の方がいらっしゃれば、ぜひお話しさせてください。



 
 
bottom of page